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   新システムのデジタルカメラ(マツツカシステム)特許明細  

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】特許第3367634号(P3367634)
(24)【登録日】平成14年11月8日(2002.11.8)
(45)【発行日】平成15年1月14日(2003.1.14)
(54)【発明の名称】カメラ
(51)【国際特許分類第7版】

H04N 5/225 G03B 17/02 17/24 H04N 5/765 5/781
【FI】

H04N 5/225 G F G03B 17/02 17/24 H04N 5/781 510 L
【請求項の数】4
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願平9−122988
(22)【出願日】平成9年4月24日(1997.4.24)
(65)【公開番号】特開平10−304233
(43)【公開日】平成10年11月13日(1998.11.13)
【審査請求日】平成11年6月9日(1999.6.9)
(73)【特許権者】
【識別番号】591222407
【氏名又は名称】株式会社松屋総合研究所
【住所又は居所】山口県岩国市室の木町1丁目7番45号
(72)【発明者】
【氏名】松塚 展門
【住所又は居所】山口県岩国市室の木町1丁目7番45号 株式会社松屋総合研究所内
【審査官】 山本 章裕
(56)【参考文献】
【文献】特開 平1−130675(JP,A)
【文献】特開 平7−43842(JP,A)
【文献】特開 平7−75048(JP,A)
【文献】特開 平7−319025(JP,A)
【文献】特開 平5−313247(JP,A)
【文献】実開 昭63−150940(JP,U)
【文献】実開 平1−85719(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.7,DB名)
H04N 5/225


(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】カメラ本体に、カメラ傾き角度に対応した2個以上のシャッターボタンと、該シャッターボタンの操作による画像情報の記録指示に応答して、操作を行ったシャッターボタンに対応した画像の傾き角度情報を記録する手段を設けてなることを特徴とするカメラ。
【請求項2】前記シャッターボタンが、該カメラ本体を正立した状態で撮影するための正立状態用シャッターボタンと、該カメラ本体を傾けた状態で撮影するための傾き状態用シャッターボタンを有する請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】前記カメラ本体の上面に正立状態用シャッターボタンを設け、該カメラ本体の側面に傾き状態用シャッターボタンを設けてなる請求項1〜2のいずれかの項に記載のカメラ。
【請求項4】前記角度情報を記録する手段にて記録されている角度情報により、前記画像の角度を変更する手段を有する前記請求項1〜3のいずれかの項に記載のカメラ。

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラに係り、より詳細には、被写体を、カメラ本体を正立状態(すなわち標準的な向きの状態)でなく、例えば、90°傾けた状態で撮像した場合、該撮像して得た画像が、正像あるいは傾像状態の画像であるかを識別でき、該画像を出力(再生あるいはプリント)した際に、正像状態に変更することを可能にしたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカメラにおいて、被写体を撮像し、その撮像して得た画像をモニター出力した場合、該出力画像は、該カメラ本体の傾き角度に応じて傾いた画像となる。すなわち、カメラ本体を正立状態にして撮像した画像を出力した際の出力画像は、正像であるが、該カメラ本体を90°傾けて撮像した画像を出力した際の出力画像は、90°傾いた像となる。そして、このように出力画像の向きが異なると、極めて見にくい状態になり、その都度、出力画像の向きを回転させる必要がある。例えば、画像の出力装置がCRT等の出力画面の場合には、該出力画面を回転させる必要がある。
【0003】そこで、近年では、このような課題に鑑み、『カメラ本体に、該カメラ本体の向きを設定する横向きキーと、縦向きキーを設け、該カメラ撮像する際に、該横向きキーまたは縦向きキーの何れかを操作し、カメラ本体の向き情報を設定した後、シャッターを操作する構成のカメラ』が提案されている(特開平8−223520号公報参照)。そして、このカメラの場合、カメラ本体の向き情報に基づいて、撮像した画像を回転させて、常に、出力画像を正像とすることができるという利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述したカメラの場合、カメラ撮像する際、カメラ本体の横向きキーか縦向きキーの何れかを操作して、カメラ本体の向き情報を設定した後、シャッター操作する必要があるので、次のような課題がある。すなわち、(1)被写体を撮像する際、常に、カメラ本体の向き情報設定操作と、シャッター操作の2つの操作が必要となるので、スムーズがカメラ撮像ができず、好ましいシャッターチャンスを逃すことがある。
(2)カメラ本体を傾けて撮像する際、シャッターボタンの位置が、側面に位置することになるため、シャッター操作が難しくなる。
(3)シャッター操作する際、『手ぶれ』が発生し易く、画像にぶれが発生することが多くある。等の課題がある。
【0005】本発明は、以上のような課題に対処して創作したものであって、その目的とする処は、被写体を、カメラ本体を正立状態(すなわち標準的な向きの状態)でなく、傾けた状態で撮像した場合、該撮像して得た画像が、正像あるいは傾像状態の画像であるかを識別でき、またシャッター操作をスムーズに行えるカメラを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そして、上記課題を解決するための手段としての本発明のカメラは、カメラ本体に、カメラ傾き角度に対応した2個以上のシャッターボタンと、該シャッターボタンの操作による画像情報の記録指示に応答して、操作を行ったシャッターボタンに対応した画像の傾き角度情報を記録する手段を設けてなることを特徴とする。【0007】請求項2のカメラは、前記請求項1の発明において、前記シャッターボタンが、該カメラ本体を正立した状態で撮影するための正立状態用シャッターボタンと、該カメラ本体を傾けた状態で撮影するための傾き状態用シャッターボタンを有することを特徴とする。
【0008】前記請求項3のカメラは、前記請求項1〜2の発明において、前記カメラ本体の上面に正立状態用シャッターボタンを設け、また該カメラ本体の側面に傾き状態用シャッターボタンを設けてなることを特徴とする。更に請求項4のカメラは、前記請求項1〜3の発明において、前記角度情報を記録する手段にて記録されている角度情報により、前記画像の角度を変更する手段を有することを特徴とする。
【0009】ここで、前記カメラには、フィルム上に被写体像を記録する一般的な1眼レフカメラの他に、磁気テープ、ディスク、あるいは半導体メモリ等の記録媒体に記録するビデオカメラ、CCD等の撮像素子等の電子カメラを含む。また前記『カメラ傾き』とは、カメラの光軸に沿ってカメラ本体を回転、あるいは回動した際の傾き、換言すれば、カメラ本体を標準撮影状態を0°とした時、0°〜±180°回動させた状態をいう。また前記『画像の傾き角度情報』とは、例えば、標準撮影状態で得られた画像を正像とした場合、この正像に対する傾き角度に関する情報をいう。また前記『シャッターボタン』には、画像の取込み操作するためのキー、あるいはスイッチ等のシャッター操作手段を含む。
【0010】そして、本発明のカメラは、通常のカメラと同じように、被写体にレンズを向けて撮像するが、本発明においては、複数個のシャッターが設けてあるので、該カメラ本体の傾きに対応する特定のシャッターボタンを操作することで、被写体の画像の取り込みの際に、該画像の傾き状態を記録することができる。従って、該画像のモニター出力を得る場合には、前記傾き角度情報に基づいて、傾いた画像、例えば、90°傾いている画像については、90°逆回転させることで、出力画像を正像として得ることができる。
【0011】【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明の請求項1の発明によれば、カメラ本体に、カメラ傾き角度に対応した2個以上のシャッターボタン、および該カメラで撮像された画像の傾き角度情報を記録する手段を設けてなるので、被写体を、カメラ本体を正立状態(すなわち標準的な向きの状態)でなく、傾けた状態で撮像した場合、該撮像して得た画像が、正像あるいは傾像状態の画像であるかを識別でき、また、カメラ傾き角度に対応した2個以上のシャッターボタンを有するので、カメラ本体の傾きに関係なく、操作し易い個所のシャッターボタン操作を行えばよいので、該操作をスムーズに行え、手ぶれ等がなく良好な出力画像を得るこという効果を有する。
【0012】請求項2の発明によれば、前記シャッターボタンが、該カメラ本体を正立した状態で撮影するための正立状態用シャッターボタンと、該カメラ本体を傾けた状態で撮影するための傾き状態用シャッターボタンを有するので、被写体を、カメラ本体を正立状態(すなわち標準的な向きの状態)でなく、傾けた状態で撮像した場合、該撮像して得た画像が、正像あるいは傾像状態の画像であるかを識別でき、撮像した画像を正像あるいは傾像として取り込むかを自由に選択することができるという効果を有する。
【0013】請求項3の発明によれば、前記カメラ本体の上面に正立状態用シャッターボタンを設け、また該カメラ本体の側面に傾き状態用シャッターボタンを設けてなるので、前記各効果に加えて、出力画像が正像となるように取り込む場合、常に、カメラ本体の上面側に位置するシャッターボタンを操作すればよいので、その操作性が良好になるという効果を有する。請求項4の発明によれば、前記角度情報を記録する手段にて記録されている角度情報により、前記画像の角度を変更する手段を有するので、前記各効果に加えて、画像変換用ソフトを用いることなく、そのままの状態で、正像状態の画像をCRT等のモニタ上に得ることができるという効果を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発明を具体化した好ましい実施の形態について説明する。ここに、図1〜図3は、本発明の一実施形態を示し、図1R>1はカメラ本体の正面図、図2はカメラ本体を90°傾けた状態の正面図、図3は概略構成図である。ところで、本実施形態のカメラは、従来の一般的なカメラと同様に、レンズ、シャッター、フィルム収納部、シャッターボタン、その他の構成部品からなるので、カメラとしての一般的構造についての説明は省略し、以下に、特徴を有する部分について説明する。
【0015】本実施形態のカメラは、図1〜図3に示すように、概略すると、カメラ本体1に、カメラ傾き角度に対応した複数個の画像取り込み用のシャッターボタン2a,2bと、画像情報記録部3、および画像出力部4を備えた構成を特徴とする。【0016】シャッターボタン2aは、カメラ本体1の上部1aに設けてあり、またシャッターボタン2bは、カメラ本体1の側部1bに設けてある。それぞれのシャッターボタンは予めカメラ傾き角度に対応している。例えば、該シャッターボタンが、該カメラ本体を正立した状態で撮影するための正立状態用シャッターボタン2aと、該カメラ本体を傾けた状態で撮影するための傾き状態用シャッターボタン2bの場合、該正立状態用シャッターボタン2aを操作した場合、カメラ傾きが0°、すなわち正立(標準撮影状態)状態にあることを、画像情報記録部3に入力し、また、傾き状態用シャッターボタン2bを操作した場合、カメラ傾きが+90°、すなわち、正立(標準撮影状態)状態に対して、+90°傾いていることを画像情報記録部3に入力する構成からなるので、何れかのシャッターを操作することで、カメラ本体の傾き角度が規定されることから、別途、角度センサーを設けなくてもよいので、その構成を簡単にすることができる。【0017】画像情報記録部3は、カメラ本体1が、0°の状態であるか、それとも90°傾いた状態であるかの情報と、撮像して得た画像情報を記録するための部分で、CPU5と記録部6を備えている。CPU5は、シャッターボタン2a,2bの操作によって、画像の取り込みをコントロールするための制御部であって、取り込まれた画像情報と、カメラ傾き角度情報を記録部6に記録させ、また該各情報を画像出力部4に出力させる。画像出力部4は、画像情報記録部3に記録されている画像情報と、傾き角度情報をCRT等の外部出力装置に出力するための部分である。ここでは、CPU5に接続されたI/Oポートで構成してある。【0018】そして、本実施形態のカメラは、通常のカメラと同様にして、被写体にカメラ本体のレンズを向けてシャッターボタンを押すことによって、被写体を画像として取り込むことができる。本実施形態では、撮影者がカメラ本体1を傾けた状態(+90°傾けた状態)にして撮影しようとすると、カメラ本体1において、その側部に設けてある傾き状態用シャッターボタン2bを操作することになりこれより、取り込む画像が+90°傾いた状態であることを検出し、この傾き角度情報を画像情報記録部3に入力する。すなわち、常に、カメラ本体1には、画像情報の他に、傾き角度情報が記録される。そして、この画像情報記録部3に記録されている画像の出力画像は、画像出力部4を通じて、CRT等の外部出力装置で得ることかできる。この出力画像には、画像情報の他に、傾き角度情報が含まれているので、コンピュータソフトにより、この傾き角度情報を利用して、傾いた画像を、正像状態に変更し、全ての出力画像を、正像に並び変えて見ることができる。【0019】このように、本実施形態のカメラにおいては、カメラ傾き角度に対応した複数個のシャッターボタンが設けてあるので、被写体を、カメラ本体を正立状態(すなわち標準的な向きの状態)でなく、傾けた状態で撮像した場合、該撮像して得た画像が、正像あるいは傾像状態の画像であるかを識別でき、また、複数個のシャッターボタンを有するので、カメラ本体の傾きに関係なく、操作し易い個所のシャッターボタン操作を行えばよいので、該操作をスムーズに行え、手ぶれ等がなく良好な出力画像を得ることができる。【0020】なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で変形実施できる構成を含む。因に、前述した実施形態においては、シャッターボタンを2個設けた構成で説明したが、3個以上設けた構成としてもよい。シャッターボタンはカメラ角度に対応していれば、カメラ本体の同一平面(辺)上に複数個設けた構成でもよく、また異なる面(辺)にそれぞれカメラ角度に対応して設けた構成としてもよい。例えば、3個設ける場合は、カメラ本体を標準撮影状態時の上部側、右側面側、左側面側のそれぞれにカメラ角度に対応して設けた構成とすることが好ましい。このシャッターボタンの配置は、カメラ本体の外観形状によって異なった構成とすることかできる。例えば、正面5角形の場合は、シャッターボタンを5個設ける等することもできる。このとき、おのおののシャッターボタンがカメラ角度に対応して設けた構成とすることは言うまでもない。すなわち、シャッターを操作することで、カメラ本体の傾き角度が規定されることから、別途、角度センサーを設けるなくてもよいので、その構成を簡単にすることができる。


【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すカメラ本体の正面図である。
【図2】カメラ本体を90°傾けた状態の正面図である。
【図3】概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・カメラ本体、2・・・シャッターボタン、2a・・・正立状態用シャッターボタン,2b・・・傾き状態用シャッターボタン、3・・・画像情報記録部、4・・・画像出力部、5・・・CPU、6・・・記録部、7・・・レンズ


【図1】

【図2】

【図3】


 


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